EPKが提案すること

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空間おもてなし

Japanese × EPK

銀座吉兆

設計
水澤工務店
所在地
東京都 / 銀座
竣工年度
2016年

吉兆は、言わずと知れた日本料理の老舗。
2016年秋、銀座店が、銀座2丁目のジュエリーブランドに囲まれる華やかな立地にオープンしました。その照明器具をEPKが担当させていただきました。

侘び、さび、もののあわれの日本料理

創業者の湯木貞一氏はただ華やかなものでなく、そこに”侘び、さび、もののあわれ”が漂っていてこそ日本料理だと明言し、伝統と新しい素材により独自の境地を開いて日本料理の発展に貢献してきました。彼が大切にしたのは、料理だけでなく全てにおいて気配りをしてもてなすという茶懐石の”おもてなしのこころ”。和モダンの空間にマッチする新しい特注照明器具により、「光のおもてなし」が実現された空間をご覧ください。

銀座吉兆

お迎えの空間‐奥へ導く路地と書院

銀座吉兆

訪れた人は、ビルの4階、エレベーターを降りたエントランスから始まる通路を通り、奥の”もてなし”の場に導かれます。本磨きの石材の床は光の反射率が高く、天井の照明からの光が水面に映る光のように映り込むようになっています。これは、古来から池の水に映る光を楽しんでいた日本人の感性を呼び覚ますような演出です。
照明器具は和のデザインで六角形の木製の枠に和紙を張り、金色の反射板により上品な黄金色の光が床に広がるようにしました。入り口付近では、灯体の中央を突起させることで、床への映り込みが多く豊かなニュアンスが表れるよう、途中からは突起せずに食事室へと招く落ち着いた雰囲気を、といったように、流れを意識して照明に変化を与えました。

奥へ入ると、待合室となる書院があります。入り口の行燈が足元を照らし、和風ペンダントからの光が室内を包む、おだやかな空間です。入り口ベンチ下にも照明が設置してあり、やわらかい光が足元を照らすようになっています。

銀座吉兆

おもてなしの空間‐個室ごとに違った演出

個室「翁」

天井の桟や木の格子素材の部屋です。ここでは、素材の温かみを活かした光が室内に満たされています。部屋中央には、杉天井と呼応するように杉と和紙でデザインした八角形の和風ペンダント照明を製作しました。

銀座吉兆
銀座吉兆

自然の素材を使って精巧に作られた器具からは、やわらかい光が広がり、器具上面からの天井へ光で浮遊感が生み出しています。器具下部にはダウンライトが組み込まれ、卓上を照らし、空間を様々なアプローチで照らします。壁の掛け軸は間接照明で照らされ、部屋のアクセントとして雰囲気づくりに一役買っています。

個室「宝」

緩やかな曲線を描く花形の折り上げ天井に照明が組み込まれた、気品溢れる空間です。折り上げた天井には金粉を散らし、豪華な印象を与えました。天井にはダウンライトも併せて設置し、照度と雰囲気どちらも確保しています

個室「黄金」

杉天井の木目の表情が美しい部屋です。部屋の中央には、金属と和紙で作った重厚感のある楕円の照明器具が据えられています。パイプとフランジの部分はエイジングをすることで味わいを出しています。職人の技術により、製作の難しい楕円の器具も美しい仕上がりとなりました。個室「翁」の器具と同じく器具上部から天井に光を開放することで、大きな器具であっても重さを感じさせずさらに天井が高く見える効果を出しています。

広間「日の出」

家具を移動できるお部屋で、天井の錫の渋みと華やかさを併せ持つ質感が、部屋全体の風格を作り出しています。錫の大天井に間接照明を設け、周囲にはアジャスタブルダウンライトを設けて、テーブルの配置に応じて焦点が合わせられるようになっています。天井中央にはダウンライトも設置し、床の間部分の屏風状の壁の反射を抑えるためにダウンライトの上からの光で照らしています。

光のコントロールと機能

各個室の照明はお客様の要望に応じて照度を変更することができるように、シーン記憶ができるマニュアル調光システムとしました。これにより簡単な操作でシーンに相応しい光環境を実現できます。また、店内の光源は全てLEDで、調光システムとの併用で省エネな照明になっています。

EPKのこだわりと役割

食事の目的や、お客様の年齢などに応じて求められる光環境は異なります。慶弔それぞれに対応した求められる食事空間の光環境の実現は、食事を美味しく楽しいものとし、日本料理を総合的な芸術として完成させるために不可欠です。「もてなす心あってこそ料理が引き立つ」という創業者の信念をEPKの解釈で製作した照明器具が、吉兆を訪れる方々の心豊かなひとときを照らす光となることを願っております。